Mr.Matsuzaka-9
まだピントがはっきりしない視界に、雲ひとつ無い青い空が見えた。
僕は目をこすり、男の方を見た。
「お別れだな。」
男はそう言いながら僕に手を差し伸べた。
僕はその手を握り、ちょっとふらつきながら立ち上がる。
男は僕に遺言を託すように、「俺はここで、まだ燃えてる真理と一緒に残り楽しく過ごすよ。おまえは残り僅かな人生を楽しめ。何も畏れるモノはないのだから。あと、俺の名前は松坂、松坂和夫って言う。最後に名前を明かすのはおかしいけどさ。俺の名前をおまえさんの脳にイニシエーションしてくれよ。」
それは心のとげが抜けてすっきりしたような口調だった。
二人は黙って親指と親指をくっつけた。親指からお互いの気持ちが浸透して二人はお互いの何かを満たしていった。
何も言わずに、僕はこの場所を後にした。背中に温かな炎を感じながら。
七日午前九時、涼しげな太陽の下、僕はまた歩き出した。そして、また一つ、忘れてはいけない名前が増えた。
僕は目をこすり、男の方を見た。
「お別れだな。」
男はそう言いながら僕に手を差し伸べた。
僕はその手を握り、ちょっとふらつきながら立ち上がる。
男は僕に遺言を託すように、「俺はここで、まだ燃えてる真理と一緒に残り楽しく過ごすよ。おまえは残り僅かな人生を楽しめ。何も畏れるモノはないのだから。あと、俺の名前は松坂、松坂和夫って言う。最後に名前を明かすのはおかしいけどさ。俺の名前をおまえさんの脳にイニシエーションしてくれよ。」
それは心のとげが抜けてすっきりしたような口調だった。
二人は黙って親指と親指をくっつけた。親指からお互いの気持ちが浸透して二人はお互いの何かを満たしていった。
何も言わずに、僕はこの場所を後にした。背中に温かな炎を感じながら。
七日午前九時、涼しげな太陽の下、僕はまた歩き出した。そして、また一つ、忘れてはいけない名前が増えた。
by hosimango | 2004-12-04 11:00